Fire of Loveファイアオブラブ 愛の炎か? 上半期私の選ぶ映画ベスト1。

 





エンターテイメントな公開作が多いサンフランシスコで、

今年一推しの映画がこれです、Fire of Love


ボルケーノ(活火山)に魅せられた

フランス出身の地質学者モーリスと地球科学者カティアの夫婦の物語。

彼らが世界各地の火山に訪れ研究し、記録していた膨大なフィルムを

サラ・ドーサ監督がまとめたドキュメンタリーです。

私はこの作品の予告を見るまで火山に興味を持ったことはありませんでした。



この予告すごくない?

火山にめっちゃ近くない?

この予告で私はやられました。


物語は雪山をボロい小さな車が走っているとこから始まります。

火山の映画なのになんで雪?

そう、火山口は高いところにあるんですね、

雪道を上りながら、車は火山口を目指してるんです。

火山なのに雪景色!

もうこの出だしのギャップ一気にに引き込まれます。


40メートの高さまで舞い上がるマグマ。

一瞬で形を変えながら流れ出す溶岩。

その映像の危険で美しいこと。

ここでもギャップ、危険だけど魅力的!



こりゃ、魅せられても仕方ないわ、と納得する映像が見れます。


モーリスとカティア、出会いは60年代の大学のお見合いパーティです。

ちょっとオタクな様相のモーリスとチャーミングなカティア。

驚くことに、二人ともその頃すでに火山に興味があありました。

『趣味はなんですか?』と聞かれて、

『ボルケーノ!』って答える人なんかそうそういないでしょ。

これはもう運命よね。

それから彼らはイタリア、コロンビア、インドネシア、と

火山の研究、記録のために世界中に旅をしていきます。




この作品を愛すべきものとしてるのは

迫力ある溶岩の映像とは真逆な夫婦のコミカルな日常。

流れ出す溶岩をスニーカーの先で突いてみたり、

暑い大地にフライパンを置いて目玉焼きを作ったり。

愛を語らずとも、二人が信頼し合い、尊重しあっているのがよく分かります。


それこそ、火(山)を見るより明らかなのです

上手いこと言った!私(笑)



彼らは世界的に有名な火山研究者でありながら

オフの時もいつも簡素な格好、活動する時は先述したボロい車で何日も野宿。

結婚した20代ならまだしも、

30年経ってもカティアは毛玉のついた赤いニット帽を被り続けていて、

生活の安定、贅沢になんて興味がないのが感じられます。




私は、公開初日に観に行ったので、監督、ナレーターの方達による

トークショーがありました。

監督は若い女性!



とにかく編集、ロゴ、ポスターのビジュアル含めて全てにセンスが良いです。

作中、熱い溶岩に近づきたいため、宇宙服みたいな銀色のスーツと

ヘルメットを装着していますが、




それが宇宙服みたいなので、

ポスターは70年台のSFチックに。

あ、音楽も非常によかったです。

入るタイミングがまた素晴らしい。




実話なのでこの物語の終わり方を想像できる人もいるでしょう。

私は知らずに観て本当にびっくりしました。

そして、それがここまでリアルに描かれているとは。

またまた意外性 信じがたいが真実!

この物語はギャップで彩られているのです。



タイトルの Fire of Love.

火山に対する二人の思い入れ、と思いがちですが

私は 二人の愛 と取りました。

若くして同じ思考(嗜好)のパートナーと出会って、

日常の生活すら捨て、ひたすら火山に没頭していくモーリスとカティア。

映像で見る火山は美しいですが、その動きは予想がつきません。

見ているすぐそばに降ってくることもあります。

その命に関わることに一緒に没頭できる相手がいることは

なんと幸せなことなのでしょう。

常識では考えられない

二人の強い魂の結びつき。



また膨大な記録フィルム、バラバラになった資料を

テンポよく、面白く、映像ににまとめあげた

監督、スタッフの方の熱い、厚い愛も感じました。


火山の記録映像としても印象的ですが

これは愛の物語として楽しめる作品です。


日本で上映するなら、イメージフォーラムでしょうか。

もし掛かったら、強くお勧めします。


















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